2017年のマツダの7人乗りSUVとミニバンを比較するブログ

2017年のマツダの7人乗りのSUVとミニバンを比較しました。CX-6、プレマシー、ビアンテ、MPVのどれがオススメ?ディーゼルとハイブリッドどっちがお得?スライドドアとSUVはどちらが便利?新型モデルと中古の車種別の価格比較情報。

マツダ CX-8の燃費はどの位?

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CX-8のクリーンディーゼル「SKYACTIV-D」は、力強い走りの他だけでなく、優れた燃費性能も注目されるポイントでした。

一方のライバルのミニバン達も省燃費ガソリンエンジンを次々と投入し、CVTを効率化、その燃費性能において厳しい戦いが繰り広げられています。そんな中でCX-8がどのくらい優れた燃費を実現しているのか気になるところですよね。

ディーゼルは燃料自体が安いですから、単純な1Lあたり何kmという数値だけでなく、実際にかかる燃料代という観点も含めてトータルで比較してみることにしました。

正式発表後に予想以上に優れた燃費性能を公表したCX-8。燃費コストではハイブリッド車に肉薄する結果をたたきだしましだ。

この記事を読んでいただければ、「車体デカくて燃費が悪そう」なイメージが覆りますよ! では、検証していきましょうっ。

カタログ燃費

CX-8は新型CX-5にも搭載されていた2.2Lディーゼルターボの改良版が搭載されます。

CX-8とCX-5の19インチグレード同士で燃費を比較したのが、次の表です。

2WD 4WD
CX-5 18.0 17.6
CX-8 17.6 17.0

1.6tに達する重たいボディを考えればなかなかの燃費ではないでしょうか。

4WDとの燃費差もなかなかがんばっています。「i-ACTIV AWD」は世界最高レベルの電子制御AWDと評価されていますが、その4WDモデルでも3%の年費低下に抑えることができています。

さらに燃費差が小さいモデルも他社にはありますが、本当に滑ったときにしか動作しない生活4WDとの違いを考えると高く評価できると思います。

CX-5に対してCX-8は全長が30cm以上延長された上、座席が1列追加されるなど200kg以上重くなっています。1割程の悪化を予想していて、事前お披露目会でも「2, 3km/l落ちるかも」なんてスタッフの方から言われていたんですが、その予想は覆されました。

たったの2~3%しか低下していません

これはエンジンの進化によるところが大きいようですが、それは後述しますね。

では、これに対してライバル車との燃費差はどの位になるでしょうか。

カタログ燃費をライバルモデルと比較

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似たようなカテゴリとして、箱形ミニバンではないモデルと比較してみます。

メーカー 車種 燃費(km/l):JC08
トヨタ プリウスα 26.2
Volks Wagen Golf Turan |18.5
マツダ CX-8 17.6
トヨタ WISH 2.0Z 14.4
スバル クロスオーバー7 13.2

さすがプリウスという圧倒的な差。でも、なかなか上位に食い込んでいます。

しかしながら、比較で気になるのは「燃費そのものよりも燃料コスト」ですよね。ガソリンと軽油の平均的な価格差19円を使って、1kmあたり何円かかるかも合わせて計算してみました。

ハイオク130円、レギュラー120円、軽油101円での試算です。

メーカー 車種 燃料コスト(円/km)
トヨタ プリウスα 4.5
マツダ CX-8 5.7
Volks Wagen Golf Turan |7.2
トヨタ WISH 2.0Z 8.3
スバル クロスオーバー7 9.1

ハイオク車のTuranとの差がひっくり返り、プリウスに迫る燃料コスト。街乗りであれば、プリウスとの差が広がるでしょうし、高速燃費であればディーゼルの得意分野なのでプリウスに迫ると思います。

利用シーンによっては、CX-8の燃費は侮れないパフォーマンスを見せてくれそうですね。

カタログ燃費を箱形ミニバンと比較

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次に2WDの箱形ミニバンの中で比較してみます。

メーカー 車種 油種 燃費(km/l):JC08 燃料コスト(円/km)
ホンダ オデッセイ X HYBRID ABSOLUTE レギュラー 24.4 4.9
トヨタ ノア Si ハイブリッド レギュラー 23.8 5.0
マツダ CX-8 軽油 17.6 5.7
トヨタ アルファード ハイブリッド G レギュラー 18.4 6.5
日産 セレナ X レギュラー 17.2 7.0
ホンダ ステップワゴン G レギュラー 16.2 7.4
トヨタ ノア G レギュラー 16.0 7.5
ホンダ オデッセイ X レギュラー 14.0 8.6
トヨタ アルファード G 2.5L レギュラー 11.6 10.3
日産 エルグランド 2.5L レギュラー 10.8 11.1
トヨタ アルファード SA 3.5L ハイオク 9.5 13.7

ミニバンの熾烈な燃費競争のなかで、CX-8は標準的な燃費です。価格帯やボディサイズからアルファードやエルグランドクラスと同じとみるならば、優秀とも言える数値ではないでしょうか。

一方燃料コストで考えるとハイブリッド車にも肉薄する数値。アルファードハイブリッドに勝ってさえいます。

クリーンディーゼルの豊かなトルクを味わえる楽しいエンジンであることを考えれば、ハイブリッド車を上回る満足度を得られそうですね。

カタログ燃費を3列シートの4WD車と比較

最後に3列シートの4WD車と比べてみましょう。

メーカー 車種 油種 燃費(km/l):JC08 燃料コスト(円/km)
マツダ CX-8 (予想) 軽油 17.0 5.9
トヨタ アルファード ハイブリッド G レギュラー 18.4 6.5
日産 エクストレイル20X レギュラー 15.6 7.7
三菱 デリカD:5 D-Power package 軽油 13.0 7.8
トヨタ ノア G 4WD レギュラー 14.8 8.1
トヨタ WISH 1.8G 4WD レギュラー 14.4 8.3
三菱 アウトランダー 24G レギュラー 14.4 8.3
スバル クロスオーバー7 レギュラー 13.2 9.1
ホンダ オデッセイ X 4WD レギュラー 13.0 9.2
三菱 デリカD:5 G-Power package レギュラー 10.6 11.3

アルファードハイブリッドも実は後輪がモーターの4WDです。CX-8は4WDになって若干燃費が下がったにもかかわらず燃料コスト順では1位になりました。

SUVとしてのライバル、エクストレイルやアウトランダーの3列目は、エマージェンシーシートの色が強くてかなり窮屈です。一方まともな3列目が付いたCX-8はボディサイズがかなり大柄にはなりますが、燃料コストでライバルを上回っているのは正直驚きですよね。

CX-5からの燃費向上ポイント

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今回の高燃費のポイントはSKYACTIV-Dの進化によるところが大きく、ポイントは以下2点の地道な改善のようですね。

  • 燃焼の改善
  • 熱効率の改善

燃料を無駄なく燃やしきる(燃焼の改善)ことと、燃料から発生したエネルギーを無駄に捨ててしまわない(熱効率の改善)ことですね。

今回、ピストン形状やインジェクター(燃料噴射装置)の改良で燃焼状況が改善されています。素人目にはすぐにアイデア出尽くしそうな改善ポイントですが、数年ごとによくブレイクスルーを作り出すことができるなと感心しきり。一見簡単そうに思える燃やすという技術がいかに奥が深いかということを痛感します。

クルマのエンジニアの方とざっくばらんに話する機会があればいいのに。

熱効率の面では、エンジンが冷えているときの冷却水の量を少なくできる装置を追加しています。暖気までの時間短縮して実用燃費が向上しています。いつも長距離走行とはいかないのが実情ですから、普段乗りのときの燃費向上はうれしい要素です。冬の暖房の効き始めも早くなるかもしれませんね。

まとめ

CX-8はクリーンディーゼル「SKYACTIV-D」を搭載しているため、燃費はもとより燃料コストまで考えるとハイブリッドに迫る評価ができることが分かりました。

クリーンディーゼルはFun to driveの要素も強く、高速走行の多いヨーロッパでも高い人気を誇るエンジンです。エンジンのコストパフォーマンスについてトータルでの満足度で考えると、比較に使った車種の中では群をぬいていると言っても過言ではないのではないでしょうか。

では!

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